@yuichirominato 2019.01.26更新 718views

【サブカル】人の無意識に刷り込まれる建築の量子化


はじめに

たまには変わったテーマで量子コンピュータを解釈してもいいかなということでポエムじゃないですが、サブカル系のテーマで量子コンピュータを扱って見たいと思います。建築やデザイン、アートの方に少しでも量子コンピュータを理解して身近に感じてもらえると何かしら創作に際しても新しい理論で世界が広がるのではないかと考えました。

隈研吾建築都市設計事務所と量子コンピュータ

何の関係もありませんが、僕自身が現在量子コンピュータのベンチャーをしていますが、前職の10年前は隈研吾建築都市設計事務所という建築事務所で建築のデザインをしていました。下記の隈建築設計事務所のformer staff listに湊雄一郎と書いてあります。出身は東京大学工学部建築学科です。隈さんや菊川怜さんと同じです。物理学科と建築学科どちらにしようか迷いましたが、当時は勉強に疲れていたので建築にしました。

http://kkaa.co.jp/about/staff/former/

当時の担当は青山にある根津美術館や中国AlibabaのTaobao Cityのコンペです。青山の根津美術館は設計監理も担当していました。根津美術館は下記を受賞しています。

第52回BCS賞受賞 (社団法人日本建設業連合会)
第51回 毎日芸術賞 (2010 毎日新聞社)

taobao cityはAlibabaの中核をなす大きなキャンパスとして中国の杭州に巨大かつ効率的なキャンパスを美しいデザインとともに機能的に全体が設計されています。

kkaa.co.jp

量子化とは?

量子化(りょうしか、: quantization)とは、ある物理量が量子の整数倍になること、あるいは整数倍にする処理のこと。

物理学において、古典力学で連続量と考えられていた物理量が、(時間・空間等を代表する様々な条件に影響を受けて一定ではないことを例として) 量子力学量子条件に合わせて離散的な(とびとびの)値として観測されること。連続量を不連続量で表す近似ではない

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8F%E5%AD%90%E5%8C%96

wikipediaによると量子化とは量子の整数倍にすること。また、連続量と考えられていた物理量が離散的な値として観測されるということです。離散化する近似ではありません。つまり連続だと思っていたものが離散であるという量子化は建築の世界でとても利用される効果だと思います。

美術館建築はトポロジカル物質

美術館建築はとても数学的な価値を持ちます。美術館の主役はあくまで収蔵品であり、学芸員の方々が活躍する場です。建築はあくまで脇役として美術品を引き立てるという使命があります。

展示室はもっとも美術品に対して敬意を払うべき場所です。美術品以外の要素は極力排除されて、美術に集中できる環境が提供される必要があります。そのためには、出来るだけ展示室の機能性を目に見せないという努力が必要です。

代表的な例として照明があります。照明は美術品にとってとても大事です。美術品を劣化させずに、均一に光を当てて影を極力落とさないように、来館者ができるだけ美術品をあらゆる角度から楽しめるように設計されています。その照明自体も、美術品をまじまじと眺める人にとって光源がみえたり、配線が見えるとそれだけで貴重な体験の妨げとなります。そのような機能性はネジの1本まできちんと考えられており、人の無意識を阻害しないように設計されています。

また、ガラスや展示ショーケースの割付も大事です。割付とは材料の切れ目のことで、日々私たちの周りは工業製品でできており、工場で作られた製品には企画のサイズがあります。例えばガラスは縦何m、横何mのように大きさの限界があります。展示室のように大きな場所ではその制限をうまく使わないと美術品に対しての体験を阻害することになります。具体的には床、天井、壁、ガラス、展示ショーケースの全ての割付を統一し、ラインを綺麗に揃えることで違和感を持たせない工夫がされています。つまり、材料の切れ目のずれを極力なくし意識の中から除外させるという効果があります。目に見えるけど意識させないという工夫が方々にされています。

https://www.museum.or.jp/modules/topNews/index.php?page=article&storyid=3928

一方トポロジカル物質は、3次元の物体の表面に特殊な幾何学的な性質が現れる物質です。トポロジカルで不変的な秩序が持たされるという意味において、美術館は数学的な秩序と美しさで美術品をサポートするというその数学的な美が万人に対する客観的な価値として意味を持ちます。

展示室を離れるほどに量子化される

展示室内では人間の意識が極限まで突き詰められて緊張を持ちます。神経が美術品に向かって研ぎ澄まされており、目に見える形での大きな素材の量子化は許されず、完全に連続で一貫性を持った状態が望まれます。展示ケースの中は床・壁ともに上質な布で覆われており、それは光を上品に拡散させ、つなぎ目と平滑面の不均一性を意識させないため布目を使って究極的に小さな量子化が行われています。それは光を拡散させるため、平面の不均一さを布の微細な量子化によって逆に均一性を表現することができています。

一方展示室を離れるほどに展示室内の突き詰められた緊張感は和らぎより素材の大きな量子化が許されます。

http://crea.bunshun.jp/articles/-/15023

陽の光の入るロビーでは、天井の大きな量子化、ガラスとスチール柱、階段の踏面など機能性を最大限隠しながらも数学的な美を失わず、天井のスリットからガラスの割付、スチール柱の構造体、床の石の割付から階段の踏面の割付までがすべて揃った状態で完璧な美を提供しています。しかしここでは数学的な美は守りつつ以前ほど美術品だけではなく、美術館自体も屋根の形状や外の風景を取り込み、全体として建物の表現を持ち始めます。

それは建物の外に出るとより顕著です。ガラスの割付、壁の溶融亜鉛メッキスチールの割付や、傘立ての入り口などあらゆる場所で異なる大きさの量子化が行われています。それぞれの部分に異なる波長の量子化が行われて1つの建築として取り扱われることで私たちの中に無意識に複雑な表現を持った印象を植え付けます。

http://crea.bunshun.jp/articles/-/15023

外部に近づくほどに外部の緑や周辺環境と馴染むべく意識的に量子化が行われ、複雑な光と陰の影響を建築に取り込みます。ここまで複雑な表現では個々の美を分離して扱うのは難しそうです。建築の量子化は周辺環境や光と陰の効果を建築に取り込むことによって魅力的な表現を醸し出すことができていそうです。

離散であり連続である

https://tokyotimeline.com/nezu

素材は離散であるが、表現は連続であるというのが和の美の1つではないでしょうか。自然界の一見連続であるという事象を昔の人も離散表現で置き換えて自然を建築の中に取り込んできました。上記の美術館のエントランスでは丸竹を壁面にならべ、ひさしの先に竹林を配置しています。竹林は美術館のひさしの先端の美しさを保つため雨どいを除外し、雨どいの代わりに雨を受けるという機能性を持っています。丸竹はよく見るとそれぞれ一本ずつが少しずつ違っていて、豊かな表情を持ちます。しかし一旦離れると全体として1つの壁のように機能し、巨視的な波動関数のように振る舞います。

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