@yuichirominato 2019.01.16更新 480views

【世界】量子コンピュータベンチャーとして世界と渡り合うための条件と方法

ベンチャー 世界 量子コンピュータ

はじめに

これまで量子コンピュータの勉強会を2017年の6月から自主的に初めて1年半が経ちました。その間にコミュニティサイズは0から1800名ほどに成長しました。主に最初は量子コンピュータのアーリーアダプターと玄人の集まりでしたが、最近は一般の方々にもだんだんと広がりを見せています。

初期の勉強会は主に理論の調査だったり、アプリケーションだったりとわからないことだらけでしたので基本的なことを毎週みんなでコツコツ確認していました。そのうちに知的好奇心も膨らみ、本物のD-Waveマシンを活用したいとか、知識が付いてきてチップを作りたいという要望が出てきて、実際にD-Waveと契約をしたり、本物の超電導量子ビットの開発に成功したりと活動の幅が自然と広がってきました。

そんな中、MDR社がようやく世界のトップのベンチャーに並んで世界で認知をされてきました。そのタイミングは2018年の年末で、ちょうど世界中から色々な海外の方が日本を訪れて、MDR社にも訪れてくれました。そこから急激に米国やロンドンを中心にMDR社に声がかかり、世界デビューを果たすことができました。これから世界の中で確固たる地位を築くことで技術立国としての存在感をベンチャーとして少しは貢献できるのかなと、そしてそのような事態に期待している方々に少しでも喜んでもらえるような状況を作りたいと考えています。

量子コンピュータ開発のスタート地点

弊社は超電導量子ビットの開発を行い、ソフトウェア開発キットの公開もしてきました。しかし、これはまだスタート地点に立っているとは思っていません。例えば世界のサッカーチームには巨大クラブチームと呼ばれるような超有名プレイヤーが揃うチームがあるように、量子コンピュータの世界もとてつもない才能の塊の人たちがゴロゴロ集まっています。特に物理学や計算機科学の最先端分野としてIT企業の精鋭たちが日々研鑽を積んで成果を出している世界です。そんな人たちがそれでも苦労している分野が量子コンピュータです。少しくらいソフトウェアで成果を出したり、ハードウェアを開発したからといってやすやす世界で戦えるという状況にはなりません。最近では中国の技術の発展もめざましく、さらにその中で成果を出すのが難しくなってきました。

そんな中、自分でここがスタート地点と決めている技術開発レベルがあります。それが、「汎用型量子コンピュータの超電導量子ビットの開発」です。汎用型の量子ビットは主に現在ではトランズモンと呼ばれる電荷型の超電導量子ビットで、シンプルな形状でいいのでそれをきちんと開発し、弊社の公開済みの汎用型量子コンピュータソフトウェア開発キットのBlueqatと合わせて一通り揃えるという状況です。

現在汎用型量子コンピュータの超電導量子ビットの開発に成功しているベンチャー企業はRigetti社のみです。世界広しといえどもベンチャーとして超電導量子ビットの開発に成功しているのはD-Wave社やMDR社含めて数社という状況で、GoogleやAlibabaなどの巨大企業に劣らないような技術に育てたいという気持ちがあります。それがただの希望的観測だったらそれまでですが、実際に短期間でここまで成果を出してきたというMDRにも実績ができました。多くの量子コンピュータ向けのアプリケーションを開発し、量子コンピュータ向けのシステムを開発し、理論を実践としてプログラムの実装に落とし込むということをコツコツ実現し、ようやく認知されはじめてきました。

汎用型の量子コンピュータチップが揃うことでようやく世界の巨大企業と同じ土俵に立つということが叶います。それももう目の前です。

世界と渡り合う条件と能力

ここまでMDR社が進んで来れたにはいくつかの条件があります。1つは素早い判断。一瞬の迷いが遅れにつながるので素早い判断と慎重な判断を同時に行ってきました。

また、収益も大事です。量子コンピュータの収益化が難しいとずっと言われながら、数年前から収益をなんとか出してきた技術力があります。また、それらの技術力を生かして、他よりも一歩先を読むという能力に長けていたと思います。常に技術力が進むべき方向を示してくれました。

ただ、これまではどうしても情報収集に限界がありました。論文が発表されたり、技術が公表されるということはその技術は公表される2、3年前の成果だということがあります。それら進行中の技術を把握するようなコミュニティへの参加や実績がありませんでしたので難しかったですが、無名のMDRがようやくそういったコミュニティに少しずつ評価をしてもらい、先進的な技術を把握することができるようになってきました。ここに至るまでにはImPACTプロジェクトで大変お世話になった山本先生をはじめとして、無名な弊社に根気よく付き合っていただいた先生方のおかげだと思っています。

技術力がもっとも大事なのはいうまでもありませんが、それらを発揮するために最新の情報が手に入るコミュニティへの参加もとても大事です。これらの状況は今後MDR社が発展するためにとても役に立つものと思います。

世界にはすごい人たちがたくさんいます。もちろん国内にもすごい人たちがたくさんいます。その中でやっていくにはやはり一番大事なのは現時点では、個人の力になってくると思います。まだチームワークという状況よりもとんでもない能力を持った個人が1人いれば勝てるという状況があるので、そういった状況を打破するような能力を持った人がどれだけいるかが状況を大きく左右します。

世界と渡り合うにはとにかく個の力を高めるということにいまは尽きると思います。量子コンピュータの眠った才能を花開かせ、即戦力として招き入れる必要があります。

リスクと使命感

このような事業を行なっていると、今はうまくいっていますが、常にリスクが伴うという意識もあります。ハードウェアをやるということは大きなリスクを伴いますし、賢い人ならもしかしたら踏み入れない領域なのかもしれません。GoogleやAlibabaなど大手がやっているのだから小さなベンチャー企業が努力したところで資金的にも技術的にもハードウェアはどうにもならんのでソフトウェアで頑張るというのが普通の考え方かと思います。

ある程度収益化が見込めるなら日本の大手企業も参入するでしょうが、現状では汎用型マシンはどのように収益が見込めるかは合理的には理解しづらい状況です。ですので、弊社のようなベンチャー企業が率先してその道を切り開く必要があるという状況で、収益も大事ですが使命感や社会の中での役割分担という意味でも合理的な会社としての利益以上の価値があると思っています。多くの人の将来の生活がかかる状況で、今の生活を危険にさらさず、世界についていけるという状況を作り出すのに弊社が一役買えれば幸いです。

また、ソフトウェア開発キットのSDKもIBMやGoogle、Microsoftがこぞって提供していますので、MDRがわざわざリスクを冒して同じ分野でBlueqatを出す必要はないと考えるのも合理的には正しい気もします。あくまで海外のツールを使いながらリスクのない範囲でソフトウェアで勝負するというのが賢い人の戦略でしょう。手っ取り早くソフトウェアで勝てるというのはもしかしたらとても大事な視点なのかもしれません。

しかしこれもやはり、国内で開発し、国内に最適化され、少しでも早く大量の優良なチュートリアルや使用方法が提供されることで少しでも多くの人に量子コンピュータに触ってもらい、開発を盛り上げるという意味で国内の開発に意味があるのではと思っています。量子コンピュータを海外を待つことなく、リアルタイムで民主化できるというのは大きな役割を担っていると思います。

世界と渡り合うには個人や企業の欲や目標だけでは到底足りません。多くの方々の支援や期待を形にするという目の前のやりがいがあってこそで世界でチャレンジするという意味があるものと思っています。特に最近勉強会を通じて多くの方が量子コンピュータに期待をされて夢を託してという場面に遭遇することが増えてきました。MDRの今のサポートしてくれるみなさまやチームのメンバーでしたら十分世界で戦えると合理的に感じるようになってきたという感想が大事なのではないかと思います。

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