@yuichirominato 2018.12.29更新 1246views

2018年量子コンピュータ総集編

Blueqat 量子アニーリング 量子ゲート 量子コンピュータ

はじめに

2018年は量子コンピュータがとても盛り上がりました。ということで12/27はイベントで量子コンピュータの総集編を行いました。年末でしたので業務の都合や遠方で参加できない方もいたり、内容も少し難しく理解しづらかったりとあったのと思いますので、こちらで簡単にまとめたいと思います。全体で320名城の参加があり、青山のNAVITIMEさんのイベントスペースをお借りしましたが広大なイベントスペースで大変びっくりしました。500名収容で、320名集まりましたので巨大スクリーンを6つほどつかいました><

ご足労いただきました方々大変ありがとうございました。

大きな会場が人で埋まりました。。。

量子コンピュータ勉強会とは?

量子コンピュータ勉強会は2017年の6月から行なっている量子コンピュータの勉強会です。量子コンピュータや量子アニーリングなど様々な勉強を最新から基礎までを行なっています。

https://qnn.connpass.com/

間違いなく日本最大(級)なのでいろんな方があつまり、みんなで知識を持ち寄って勉強しています。そういう意味で弊社MDR社の発展は皆さんの集合知のおかげなので、来年はできるだけみなさまの元への還元をがんばります><

オンラインコミュニティ・サロン

勉強会を進めるうちに勉強会以外でも情報を手に入れたり、議論がしたいということでオンラインコミュニティが立ち上がりました。こちらはslackの形で提供されています(世界標準に合わせました)。

https://join.slack.com/t/mdr-qc/shared_invite/enQtMzgxNDI3MTAyNzA3LThmYmRhZjkwYzFiZjRjNWZkNzJhOWMwOWNiYzgxYjdkNWE4ODA5ZWExZGYwZjFjM2RmNjE2ODJlYjgyNzNkNjY

現在1000名を超える登録があり、チャンネル毎にテーマが割り振られています。2018年12月28日現在で下記のようなチャンネルがあります。

#general 一般的な会話
#arxivquration 論文について
#blueqatforquants 量子コンピュータの金融計算について
#errorcorrection エラー訂正について
#microsoft-q-shart マイクロソフト社のサービスについて
#quantumsupremacy 量子超越性について
#random なんともない会話
#squid 超電導量子ビットについて
#暗号
#古典機械学習_深層学習
#光量子
#初心者
#量子アニーリング
#量子ゲートモデル
#量子シミュレーション
#量子化学計算
#量子機械学習

好きな話題に参加して質問や会話や情報発信などできます。

当日資料

当日資料はslackのオンラインコミュニティの方に置いてあります。欲しい方は登録の上、こちらからダウンロードしてみてください。

https://join.slack.com/t/mdr-qc/shared_invite/enQtMzgxNDI3MTAyNzA3LThmYmRhZjkwYzFiZjRjNWZkNzJhOWMwOWNiYzgxYjdkNWE4ODA5ZWExZGYwZjFjM2RmNjE2ODJlYjgyNzNkNjY

代表経歴

今まであまり代表略歴を出していなかったのですが、簡単に紹介しました。

湊雄一郎(みなとゆういちろう)
MDR株式会社 代表取締役

1978年 東京都生まれ
2004年 東京大学工学部建築学科卒業(構造計算力学)
2005年 株式会社隈研吾建築都市設計事務所勤務
2008年 MDR株式会社設立〜現在に至る
2008年 環境省エコジャパンカップ・エコデザイン部門グランプリ
2015年 総務省異能vation最終採択
2017年 内閣府ImPACT山本プロジェクト、プログラムマネージャー補佐

一番珍しいのは建築構造計算力学の古典物理学出身です。。。

かつ最初に入ったのが建築事務所でしたので図面が引けます(半導体図面もやっぱり似てる)。使ってたcadはvectorworks/autocadです。autocadの方が向いてましたが。

建築のパースも作っていて、そちらは3dsmax+vrayでした。

主な担当は東京都港区青山にある根津美術館という美術館の設計監理になります。

http://kkaa.co.jp/

企業概要

企業名   :MDR株式会社(英語表記:MDR Inc.)

所在地   :東京都文京区本郷2−40−14

設立    :2008年12月12日

主要取引先 :国立研究開発法人、国内大手企業、国立大学法人

資本金   :1億3,000万円(資本準備金94,986,050円)

事業内容  :量子コンピュータフルスタック開発、機械学習アプリ研究開発

従業員   :15名程度(パートタイム・アドバイザー含む)

今年は総勢20名程度で行なっていますが、来年には今のペースですと30-40名程度になる予定です。

チーム構成

主に東京大学・東京工業大学・東北大学のメンバーが中心となって、ソフトウェアとミドルウェアとハードウェアを開発しています。金融出身者が多いのも特徴的で、完璧な財務と経理で経営基盤が鉄板なのが特徴です。

MDR製品群

MDR社の製品群は主に汎用量子コンピュータ向けSDKのBlueqatを主軸に、クラウドのシミュレータSuperfast、そしてそれらをクラウドで管理するQuantum Cloudで構成されます。

Blueqatはずっと無料で使いやすいので、ぜひ使ってみてください。後ほど簡単なレビューの紹介を掲載します。

https://github.com/mdrft/Blueqat

https://github.com/mdrft/Wildqat

ハードウェア開発

最近MDR社は海外にもよく登場します。こちらのハードウェアのリストでは、量子アニーリング型の超電導量子ビットと量子ゲート型の超電導量子ビットを開発していることが明記されています。それにしても海外は資金調達から技術からパートナー状況までよく調べているな。。。

ちなみにアニーリングとゲートを両方作っているのは世界でもGoogleとMDRとMITだけです。

弊社の超電導量子ビットもちょっと紹介しました。磁束量子ビットです。ISSという国際会議でも発表をしました。

Principle Verification of the Superconducting Flux Qubit Cell Toward the Quantum Sampling Approach for Training of Deep Neural Networks

*Daisuke Saida1, Hayato Ariyoshi2, Yuki Yamanashi2
MDR Inc.1 Yokohama National University2

https://iss2018.jp/

クライアント・ユーザー

クライアントは各官公庁や大手企業を紹介。

現在ユーザー数は1760名程度です。

オリジナルアルゴリズム

これまでは他社のアルゴリズムの再現や基本的な問題を扱うことが多かったのですが、最近ではオリジナルのアルゴリズムも少しずつ表に出すようになってきました。下記は自動車の走行軌跡を圧縮するためのイジングアルゴリズムです。

技術ブログ

基本的な技術はすべてブログに載せています。こちらを見れば技術が理解できるはず???https://blog.mdrft.comです。

技術分野

最近のニュースでは大きく分けてゲート式とイジング式が出てきます。米国と中国のIT大手が行なっているゲート方式と、カナダと日本の行なっているイジング方式です。それぞれ得意領域が異なります。今回の勉強会では、量子ゲートを中心として取り扱い、量子アニーリングに関してはD-Wave様とDENSO様に説明をお願いしました。実用化の度合いが異なりますのでうまく使い分ける必要があります。

超電導量子コンピュータハードウェア

上記はIBMとblueforsからの引用ですが、ハードウェアは2.5mくらいのアルミのの架台の上から円筒状の筒がぶら下がっていて、その一番下にチップが配置されています。筒の中には円盤状のいたが上から順番に配置されていて、下が約-273度の極低温になっています。周辺機器には温度制御とか測定機器とかが置いてあります。

量子ゲート方式の仕組み

フロントエンドで問題を入力し、アルゴリズムを作ります。本来はそのあと誤り訂正付きの回路がありますが、現在の量子ゲートマシンではその誤り訂正の機構がないためそのままエラーありのままバックエンドの計算に入ります。バックエンドでは作成した回路がFPGAによってマイクロ波のパルスの形となり量子ゲートのチップに作用します。計算が終わると測定を通じて答えを取り出します。

マイクロソフト社の資料をもとに作りました。

ゲート回路とパルスの形

こちらはGoogle社の論文からですが、実際に回路を作ってみる(下から二番目の段)とそれに対応したパルスの形で実行が行われている(一番下の段)のが何と無く分かります。

量子ゲートモデルのプログラミングゲート回路

量子ゲート方式の量子コンピュータは量子ゲートと呼ばれるパズルのような記号を使って計算を行います。数学的にはそれぞれのゲートには行列演算が割り当てられています。演算の基本は3ステップで、初期化、ゲート演算、測定を通じて計算をします。

初期化は簡単です基本的にはすべて0で初期化されますのでここは意識をする必要がありません。

次にゲート演算と呼ばれる部分ですが、パズルのようにゲートを組み合わせて計算をします。XやYなどのゲートのほか重ね合わせを実現するHゲート、二量子ビット同士の条件付きの演算を行うCNOT(CX)ゲートなどです。

最後に測定をして結果を取り出しますが、量子コンピュータは確率計算を使うマシンですので、取り出す計算結果は毎回異なることがあります。その際には何度も計算を行って、求めたい問題の答えの確率の分布や偏りを見て実際に行われている計算の内容を類推しながら計算を行います。

量子ゲート方式には光量子コンピュータのような珍しい方式も出てきました。下記はトロントのXANADUというベンチャー企業のツールですが、光量子コンピュータの連続量CVプログラミングという手法で量子テレポーテーションを実現しています。

連続量プログラミングは超電導量子ビットとは異なる原理で行われますので、興味のあるかたはXANADUを勉強してみてください。

アプリケーション

量子コンピュータのアプリケーションは様々出てきています。ここでは代表的なもので、現在の量子コンピュータで行われている例をいくつか紹介します。

こちらは米国のシリコンバレーの有力ベンチャー企業のRigetti社が行ったQAOAという組み合わせ最適化問題を解くアルゴリズムでmax-cut問題を行った例です。量子ゲート方式のマシンで量子古典ハイブリッド計算という手法で繰り返し計算を通じて量子コンピュータと従来型コンピュータを交互に計算をします。その際にハイパーパラメータの最適化のためにベイズ最適化を使っています。

shorの暗号解読系

素因数分解や離散対数問題はshorのアルゴリズムを利用しますが、実質的に現在のマシンでは位相推定アルゴリズムや量子フーリエ変換の大規模実装は技術的に難しいのと、二量子ビットゲートのエラーの問題で実質的に解くことができません。ですが、原理的に解けてしまうのと、マシンの開発が進んでいるという理由で世界中で耐量子コンピュータ暗号のリリースが始まっています。

検索アルゴリズム

検索アルゴリズムで有名なのはGroverのアルゴリズムです。こちらは重ね合わせ、マーキングで欲しいデータに目印をつける、つけた目印は量子状態のままで人間には見えないので、見えるようにする振幅増幅反転の回路でできます。制度を出すには上記の繰り返し回数を増やさなくてはいけないので、こちらも将来的な活用が期待されていますが現在では実装は厳しそうです。

量子化学計算

活用が期待されているのが量子化学計算です。上記のshorタイプの行列の固有値を求めるアルゴリズムの現代版であるVQEをつかって分子の軌道計算を行います。現在ツールが豊富でマイクロソフト社のQ#やGoogleの非公式のOpenFermionを使うとすぐに量子化学計算を始めることができます。

タンパク質折りたたみ問題

前述のQAOAなどを使うと組合せ最適化問題でタンパク質折りたたみ問題を解くことができます。カナダのProteinQureはこのような最先端技術を使って治療薬を作ろうとしています。

来年の量子コンピュータアプリの流行り!

今年は量子化学計算が流行りました。年末には量子化学計算の将来展望や総まとめなどが出てきていてツールも充実しています。一旦量子化学計算は落ち着きを見せて最近盛り上がってきているのが量子機械学習です。

ニューラルネットワークや各種の機械学習を量子コンピュータの回路の上に実装するという試みが行われています。少しずつ成果も出てきていますので来年は機械学習が流行りそうですし、すでに兆候がでています。ハードウェアとソフトウェアの中間領域は誤り訂正に対する提案も少しずつ出てきています。

また、下記のように耐量子コンピュータ暗号の登場も2018年にISARAを筆頭に少しずつ実用化されてきましたので、引き続き2019年も流行りそうです。量子コンピュータの登場で暗号解読が懸念されていましたが、実際にはそれに対する量子暗号・量子通信・耐量子コンピュータ暗号の搭載が進んでいてソリューションが続々登場しています。

量子ゲートモデルハードウェア

量子ゲートのチップは主にトランズモンと呼ばれる方式で作られています。超電導量子ビットで世界の最先端で戦うにはトランズモン式での大規模開発を行う必要があります。フェイスブックの量子コンピューター最前線の管理人で有名な宇津木氏のまとめによると、全世界がトランズモン型のチップを作っています。

世界の様々な量子コンピュータ

こちらはGREE Venturesさんの資料からですが、一番左の超電導量子ビット以外にも様々な量子コンピュータがあります。現在実用的に進められるのがIBMやGoogleが取りかかっている超電導量子ビットです。MDR社も超電導量子ビットを行なっています。最近話題になったIonQのイオントラップはレーザーで原子を冷却してスピンの制御をするタイプ。量子ドットはIntelが行なっているシリコンタイプで、微小な電子ガスから電子を捉えて制御する。Microsoft社が行なっているトポロジカル量子コンピュータは電気的に中性なマヨラナフェルミオンを使いますが、マヨラナ自体の存在がまだ不明確なのと実際の計算原理がまだ決まっていません。代わり映えとしては量子状態が長く続きダイヤモンドのNVセンターなどもあります。

しばらくは超電導量子ビットを見ておきながらダークホースとして量子ドットを見ておくのがいいかと思います。

個人的に大変お世話になっているコヒーレントイジングマシンもとてもいいマシンです。将来的に東京大学の古澤先生の光連続量のマシンなど、光を使ったオプティカルマシンは日本の厚い光関連の研究者層を考えるとソフトウェアがあってもいいのではないかと思います。1km近くの光ファイバーを使ってイジングマシンを実現しています。トロントのXANADUとも合わせて光関連の技術はこれから期待がもてます。

ベンチャー企業

世界中でベンチャー企業が増えています。現在量子コンピュータは中長期の計画が各国で建てられており、技術と同時に産業としての枠組みが立ち上がってきています。暗号関連では数学者の雇用を生み、量子化学では量子化学の雇用を生んでいます。また、量子コンピュータのハードウェアを作るための周辺産業も立ち上がってきています。

GREE Venturesさんの資料で、ハードウェアではD-WaveやRigettiなどは最新ではだいたい200億円くらいの調達をして進めています。

ソフトウェアで50億円程度の調達です。シードで5-7億くらいを集める感じになっています。少し有名ベンチャーを紹介します。

Zapata Computing

Zapata Computingは世界的な量子化学の権威のAlan Aspuru-Guzik先生がCSOとして参加している世界的に有名なアプリケーションベンチャーで、MITやハーバードが中心となっています。現在アラン先生はトロント大学に移れらていて、2018年には来日もされています。

Rigetti Computing

Rigettiはシリコンバレーの有名ベンチャーで会社内に半導体の工場を持っているというすごいベンチャーです。100名程度の社員を抱えて量子コンピュータのハードウェアを開発しているIBM出身の企業です。来年128量子ビットの実機を開発するということを発表しています。

Alibaba Cloud

Alibabaは言わずもがなの中国の大手IT企業でGoogleのライバルになると見られています。米国の研究者を呼び戻し、巨額の予算を持って開発をしている来年注目の企業です。Alibaba Cloudで実機の提供をしています。

CQC

ヨーロッパのベンチャー企業も増えています。ケンブリッジ大学のCQCはOSなどを開発しているという企業で、調達額も知名度もワールドクラスになっています。

1Qbit

こちらはカナダのバンクーバーにあるアプリケーション、コンサルティング企業でかなり多くの研究資料や発表、アルゴリズムの開発をしている世界のトップ企業です。昔は量子アニーリングをしていましたが最近では量子ゲートを積極的に行なっています。

QC Ware

米国のアプリケーション企業も最近急激に大きくなっています。ヘッジファンドや航空産業からも出資や仕事を請け負いながら元々はNASAの仕事をメインで行なっていました。アプリケーションやクラウドシステムの開発以外にもQ2Bなどのビジネスカンファレンスの開催なども積極的に行なっています。

XANADU

光連続量と呼ばれる光マシンを使ったプログラミングの高度なツールを提供しており、ソフトウェアとハードウェアの開発をしています。オリジナリティがあってとてもおもろいです。

ProteinQure

タンパク質折りたたみ問題を扱いながら治療薬などを検討している企業です。こういう分野専業企業は日本にも欲しいところです。

ISARA

ISARAは注目のベンチャーです。カナダのウォータールーを拠点として量子コンピュータと暗号関連のソリューションを提供しており、最近では大型のちょつをしながらブラックベリー向けにソリューションを提供しています。

ANYON

ANYONも注目のベンチャーです。Google向けにハードウェアのソリューションを提供して提携していることで一躍有名になりました。ハードウェア周辺のビジネスが伸びているといういい例になります。

Q-CTRL / Quantum Benchmark

その他様々なハードウェアをサポートする技術がベンチャー企業として民間で育ってきています。オーストラリアやカナダが力を入れています。

量子コンピュータベンチャー運営について

弊社は日本を代表する量子コンピュータのベンチャー企業として成長することができました。実際にそのような量子コンピュータのベンチャー企業と国内外で交流をすることで運営に関しての情報を得ることができました。

一番大事なのは技術力です。大学の研究室をベースとしている企業もあれば、単独での運営をしているところもあります。大学の研究室ベースで有名なのはZapata Computingなどです。その他多くは民間の研究室をベースとしてない企業が多く、そのような企業はどのように技術力を確保するかは課題ですが、この部分がもっとも大事です。大学との連携も大事ですが、民間での利益を取るためには事業計画や収益計画上は明確に分離をする必要があります。

また、技術力の入れ替わりは激しく世界中で有名研究者の企業も相次いでおり、入れ替わりや話題の移り変わりも激しいのが特徴です。

営業力も大事です。収益を上げなくてはいけませんので、どれだけ実用に近づけるのかということが大事になります。技術力もさることながらビジネスサイドの意向を組んで営業力を強化する必要があります。QC Ware / 1Qbitなどは早速きちんとビジネスを進めています。

財務力は大事です。特に書く量子コンピュータのベンチャーはお金がかかります。MDRはハードウェアまで開発をしているのでさらに大変ですが、ソフトウェアの人材の単価も高いですし、海外出張も多く、論文を読む必要があり時間も足りない上に事業化を前提に収益化をする必要があるため激務必死、貧乏必死です。いくら調達しても足りないというのは世界共通のようです。そのために厳格な財務管理・経理の管理を通じて資金の効率的な活用は必須です。

一番大事なのはコミュニティの形成です。この分野は1つの会社で成果を出すのはほぼ不可能です。皆様のご支援とご協力、そして一緒に事業化するというあゆみが大変大事です。量子コンピュータ技術を高めて世界で大きな事業をするために皆様と一緒に進めていきたいと思います。

世界のツール

世界中で量子コンピュータの開発用のツールが出ています。代表的なのは下記の通りです。Google社からRigettiまであります。国内で強いのは掲載を忘れましたがMicrosoft社のQ#のWindowsコミュニティとIBMのQiskitがとてもいいと思います。GoogleのCirqは少し専門知識と予備知識が必要で高度なツールとなっている、光量子コンピュータは選択肢がなくやりたい人はXanadu一択です。Rigettiは個人的にチャレンジしていてとてもおもしろいですが、国内での知名度はほぼなくてあまり人気はまだありません。サポート体制や広まりを考えると、現状はWindows開発者はQ#を行い、Linux/macOSなどあとは実機を使いたい方はIBMを利用するのが良いと思います。ドキュメント類もまだ英語ですがこの2社のドキュメントがとてもよくできています。

シミュレータ

量子コンピュータの実機を使う前にシミュレータと呼ばれる手元のPCやスパコンで計算を行う仕組みを使います。いきなり量子コンピュータに入れるとエラーで計算がどれだけできているかがわかりません。そのためツールを使ってシミュレータで計算をするのが一般的です。小さな問題でしたら模擬的にシミュレーションをおこなうツールが手元で使えます。

現在の主流はPythonです。弊社でもjsとかいろんな言語でかいてみましたが、結局Pythonのインターフェイス+バックエンドの行列演算部分をより高速な低級言語でかいたり、最近ではCUDAなどのGPU言語でかいたりします。

量子コンピュータのゲートモデルの演算のシミュレーションは簡単な仕組みでできています。同一に計算するゲートを時間ごとに縦割りをして、それぞれのテンソル積と呼ばれる行列の演算でまとめて計算をします。それを時間ごとに左から右に順番に計算をしていきます。ゲートのないところは単位行列Iを使います。

このようなシミュレータは数学に慣れ親しんだ方はすんなり受け入れられると思いますので、世界中に様々なシミュレータが開発されていますし、手元のpythonツールやmatlabのような数学ツールでも確かめや計算ができます。

大型量子アニーリングシミュレータ

sqaodなどのGPU大型のアニーリングシミュレータなどもあります。シミュレータもかなりの需要がありますので、ちょうど過渡期なのでご活用くださいませ。

D-Wave社のマシン

なんだかんだで実用化と考えるとやはり量子アニーラです。当日はD-Wave Systems Inc.の陣内さんから案内がありました。

主に量子アニーリングの仕組みについて丁寧に解説いただきました。企業の採用もとても増えており、時間貸しでの契約に関して説明がありましたので、ぜひ採用を検討している方々は1時間30万円の契約で、たくさんの計算ができます。トータルで1時間なので、1ヶ月で数十万回の実行ができるのでかなりお得です。

弊社MDR社も今後D-Wave社のマシンの使い方や量子アニーリングのサポートを強化しますので安心してD-Waveマシンを使ってみてくださいませ。

また、DENSOさんから世界でかなり話題になった工場内の最適化の話をご披露いただきました。

https://www.dwavesys.com/press-releases/denso-improves-factory-automation-routing-15-d-wave

一番わかりやすいのか下記の動画でしたぜひご覧くださいませ。

自動車業界はアニーリングの活用が本格化してきました。ぜひ自動車関連の方はこれを機にイジングに触れてどんどん量子効果を活用してもらえれば。全力でサポートしてまいります。

Blueqat

会場で当日とても盛り上がったのが弊社MDRのBlueqatと呼ばれる開発キットを担当の加藤が説明したときでした。実際にその場で簡単にインストールして依存関係を気にせずにすぐに使えるツールとしてとても便利です。

初めての人にBlueqatを勧める5つの理由

  1. 覚えることが少ない
    Circuitクラスの使い方だけ覚えたら回路が作れる
  2. 回路の手書きが直感的で簡単
    メソッドチェーンやスライス表記で短い・分かりやすい
  3. 安心の日本語コミュニティ
    MDRのSlackや勉強会で質問をいただければ開発者が直接答えます
  4. 簡単QAOA/VQE
    NISQアルゴリズムの代表格ともいえるQAOAやVQEも簡単に動かせる
    Wildqatで作ったアニーリング用QUBOをBlueqatで動かすこともできる
  5. 環境構築らくらく
    NumPy/SciPyを使っていて、C++を直接書いたりしていないので、
    依存関係やライブラリなどが原因でインストールに躓くことが少ない

全人類が、
量子コンピュータ
まだ初心者

字余りの俳句みたいなのがでてきました。

詳しくはslackから資料が手に入ります。ぜひblueqatを使ってみてください。

https://join.slack.com/t/mdr-qc/shared_invite/enQtMzgxNDI3MTAyNzA3LThmYmRhZjkwYzFiZjRjNWZkNzJhOWMwOWNiYzgxYjdkNWE4ODA5ZWExZGYwZjFjM2RmNjE2ODJlYjgyNzNkNjY

アプリケーションの紹介はこちらですが、最近は日本語ドキュメントも充実しています。

https://github.com/mdrft/Blueqat

まとめ

正直最初はこんなにたくさんの方々にきてもらえるとは思っていませんでした。量子コンピュータの注目度の高さに弊社もびっくりして総集編を行いました。

勉強会はこちらから参加できます。

https://qnn.connpass.com/

また、オンラインコミュニティはこちらになります。

https://join.slack.com/t/mdr-qc/shared_invite/enQtMzgxNDI3MTAyNzA3LThmYmRhZjkwYzFiZjRjNWZkNzJhOWMwOWNiYzgxYjdkNWE4ODA5ZWExZGYwZjFjM2RmNjE2ODJlYjgyNzNkNjY

弊社も今年は、
・D-Wave Systems Inc.との契約
・AQC量子コンピュータの国際会議に参加
・Google&NASAのQuailの運用するNASA AmesのD-Wave向けの論文が採択
・MUFGデジタルアクセラレータ準グランプリ
・株式会社三菱UFJ銀行との量子コンピュータ共同研究開始
・内閣府ImPACTプロジェクトクラウドシステムを無事1年無事故運用
・Q-Leapの日本のフラッグシップ量子コンピュータプロジェクトへの参加
・特許庁IPASにおける知財戦略のアクセラレータプログラムへの参加
・NVIDIA/Microsoft/IBM/AWSなどの米国IT大手からの支援プログラム
・Microsoft Innovation Award2018の特別賞受賞
・独自設計の超電導量子ビットの開発に成功し国際会議で発表
・SBI様から約2億円の資金調達を完了
・世界における米国IT企業とスタートアップとして日本ベンチャーで初契約

あらゆる偉業をわずか1年で達成することができました。慢心することなく来年はいよいよ世界での日本のベンチャーとして存在感をだすという大きな仕事があります。弊社の開発した量子コンピュータハードウェアをもって日本の存在感を海外に示しながら地道に日本の官公庁のプロジェクトへの技術支援と提供を引き続き行なっていき、世界を代表する量子コンピュータ企業として確固たる地位を築き(ほぼそこまできていますが)、安心感をお届けしたいと思います。

改めて感じるのは主役は弊社ではなくあくまで弊社のツールを使って何かしらの事業や行動を起こしたいと考えている皆様で、さまざまな方々の活動を縁の下の力持ちで支えながら、時々今回のようの表舞台に少し立って活動内容を報告するというスタンスでますますの市場の形成に役立てればよいなと考えています。

今年一年もありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。都合で来られなかった方々、遠方で参加しづらい方にも来年はよりサポートを強化して全世界に情報をお届けしたいと思います。引き続き応援よろしくお願いいたします。

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